ミヤコショウビン

ミヤコショウビン

  • ズアカショウビン

    カワセミのたぐいであるから、海辺のマングローブ林に棲息していたらしいという推測はつくが、習性などについては一切不明である、近縁のナンヨウショウビンは熱帯雨林の林縁部に棲息していて、トカゲなどの爬虫類やバッタなどの大型昆虫を捕食している。この食性はアカショウビンに似たものがある、だがシロアリの巣に穴を開けて営巣するという変わった修正の持ち主である。
    世界中でたった1回、1羽しか採集されなかった貴重なカワセミである、したがって標本はもちろん一つであり、それは日本の山階鳥類研究所に貯蔵されている。
    1887年2月5日、田代という日本人が琉球列島の宮古島でカワセミの1種を採集したが、それが新種であるとは誰にも認められなかった。
    その後約30年が経過し、その標本が黒田長禮の目に留まった、この頃には太平洋諸国の鳥類の標本などもある程度そろっていたということもあるだろうが、黒田長禮の研究により1919年に新種として認められた、だがその後ミヤコショウビンは二度と採集されることはなかった。
    現在の宮古島は石灰石に覆われた珊瑚礁のような島である、だが以前はれっきとした岩と土の島であった、石灰岩の下にはそれが隠されており一時的に海中に没した為に今のような姿になっている、宮古島には特異な地下ダムがあるが、地下の岩盤には貯水槽がある、のた野尻湖などで発掘されるナウマンゾウと同じパレオロクソドン属の一種であるナルバタゾウに極く近いものの化石が見つかっているように宮古島にはかつて森林に覆われていた時代があった、マストドンの1種ゴンフォテリウム、ノロジカ、ケナガネズミ、そしておそらくイリオモテヤマネコと思われる山猫の化石も見つかっている。
    これらの化石動物たちは森林に好んで棲みついてたと考えられる、ケナガネズミは現在でも沖縄本島の森林に棲息している、イリオモテヤマネコは西表島の森林に棲息している、ゾウたちは体が大きいということもあっておそらく開けた草原に棲息していただろうが、海岸沿いのマングローブが茂る湿地は格好の餌場だったに違いない、だがゾウたちも宮古島が大陸から切り離されて間もなく絶滅しただろう、宮古島はそれほど多くのゾウが棲める環境ではないと思える、もしくは大陸から切り離されて間もなく海中に没したのかもしれない、水没は氷河期などの海面の上昇が原因と見られる。
    ミヤコショウビンが水没する以前から宮古島に棲息していたものか、あるいは再び陸化した時に飛来したものかは化石が出ていないのでわからない、水没した時もマングローブ林だけは残されているほどだったならば彼らは生存できたはずだ、マングローブ林に多いトビハゼや甲殻類を捕食できたからだ、しかし人が住み着くようになると真っ先に破壊されるのがマングローブ林である、船着場を作れば林は邪魔になるし木は建築材料などに調達されやすい、相当古くから存在しマングローブ林に依存して生きていたとしたら、ミヤコショウビンはいとも簡単に絶滅したと考えられるのである。
    (画像はズアカショウビン)


このページの先頭へ