カリブモンクアザラシ

カリブモンクアザラシ

  • カリブモンクアザラシ

    本種の生態は殆ど知られていないが、おそらく他のモンクアザラシと似たものと思われる。カリブモンクアザラシは多くのアザラシ同様、魚類とイカ、タコなどの頭足類を主食としたのだろう。そしてやはり岩場で日光浴するのが好きだが、彼らは晴天時には乾燥した場所は避ける、体が熱くなり過ぎるのを防ぐためで熱帯生活者ならではの行動をとっていたに違いない。
    出産は12月前後である、生まれたばかりの子供は、流氷の上などで生まれる種類の子供は真っ白な毛で包まれているが、本種は黒く普通のアザラシとは異なる、子供の成長は他のモンクアザラシのようであったと思われる、すなわち生後5から6週間で離乳するが、ハーレムを作るハイイロアザラシやゾウアザラシなどよりも2週間くらい遅かったはずだ、その理由は次のように考えられている、ハーレムを作る種は陸上で子供が離乳するころ交尾をするが、興奮したボスのとばっちりを受けないように早く離乳する、しかしモンクアザラシなどは一夫一妻で仲良く水中で交尾するから、子供の離乳までが長くても差し支えないだろうと。
    ジャマイカ島を中心としたカリブ海に広く分布したが発見は1850年と比較的遅かった、カリブ海はコロンブスが初めて到達した地である、1493年のことでコロンブスはマナティーは見たがモンクアザラシは見ていないらしい、彼の日記にはこうある「1月9日ヒスパニオラ島の入り江で3人の人魚にであった、海中から伸びるようにして姿を現すのがはっきり見えた、だがその姿はとても美しいとは言えないものだ、確かにその顔は人の顔立ちに幾分かは似ていたが・・・」と彼は気落ちして書いている、その人魚はマナティーのことだ。
    ともかくカリブモンクアザラシは発見は遅かったがいつの間にか絶滅したようだ、特に狙われて減少したわけではない、熱帯産であるために毛布の質は悪く、脂もそれほど重要ではなかったはずだ、広い海を追い回してもアザラシは俊敏だから苦労ばかりで利益は少ない、にも関わらず生息数は減少した、1952年に姿が目撃されたが、これを最後にカリブモンクアザラシは消息たった、1984年におそらく絶滅したと断定されている、今現在も棲息するとの情報はない。
    その原因は人間活動にある、カリブ海は有名な観光地である、毎年多くの人々が訪れる、ホテルが建ち並び豪華なヨットが走り回る、そうした人間の行いが彼らの棲息地を奪ったのである、魚網にもかかったりしたであろうが、何より重要な子供を生んで育てる場所や休息地が奪われてしまったのである。


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